ホストとして働いていた小山直己さんが、愛知県警により逮捕・勾留されていた事件が波紋を広げています。
事件の発端は「強制性交の疑い」でしたが、小山さんは一貫して無実を訴え、最終的には名古屋地裁で無罪判決が下されました。
実に326日間にわたる長期勾留の末に明らかになった真実とは——。
逮捕を担当した刑事の名前や、今後の損害賠償の行方についても掘り下げます。
事件の概要
2023年6月、小山直己さんは愛知県警中警察署によって逮捕されました。
小山さんは名古屋市内でホストとして働いていた人物で、女性から「性的暴行を受けた」との通報を受けた警察が、強制性交の容疑で彼を拘束。
以降、小山さんは起訴され、長期間の勾留生活を強いられることになります。
小山直己さんが拘束されたのは愛知県警中警察署
小山さんを逮捕・勾留したのは、名古屋市の中心部にある「愛知県警中警察署」。
この警察署は繁華街・栄エリアを管轄しており、ホストクラブや風俗店などが密集する地域でのトラブル対応にもあたる部署です。
中警察署はこれまでも取り調べの厳しさや勾留期間の長さが問題視されてきた背景があり、今回の件でもその姿勢に批判が集まっています。
326日間の勾留期間
小山さんは事件発生からおよそ11カ月、実に326日間にわたって勾留されていました。これは異例の長さであり、小山さん本人も「精神的に限界だった」と語っています。
勾留中には約40回もの取り調べが行われましたが、そのすべてで一貫して無実を主張。
それにもかかわらず、長期の身柄拘束が続けられたことに、専門家からも「人権侵害に近い」との声が上がっています。
刑事の名前や顔は?
小山さんを取り調べた刑事の名前や顔写真については、現時点では明らかになっていません。
警察内部の個人情報保護の観点から、通常、捜査担当者の氏名や顔は公開されないのが通例です。
ただし、弁護団は「担当刑事の取り調べ方法に問題があった」として、将来的に捜査内容の精査や刑事責任の追及を視野に入れているとしています。
もし今後、国賠訴訟や告発が行われれば、担当刑事の実名が明らかになる可能性もあります。
名古屋地裁の判断と無罪判決
2024年5月、名古屋地方裁判所は小山さんに対し無罪判決を言い渡しました。
また、裁判所は「不必要に長い勾留には慎重であるべきだった」とし、暗に検察と警察の捜査手法に疑問を呈する内容も含まれていました。
損害賠償請求の可能性は?
小山さんの弁護団は、今後、国や県に対する損害賠償請求(国家賠償請求)を検討していると明言しています。
長期勾留により、小山さんは仕事を失い、社会的信用も失墜。また精神的苦痛も大きく、「謝罪だけで済まされる問題ではない」と強い不満を表明しています。
これまでにも、誤認逮捕や無罪判決を受けた被告が国や自治体に損害賠償を求めるケースは複数あり、数百万円〜数千万円の賠償が認められた前例もあります。今回の件でも、数千万円単位の賠償請求が行われる可能性が高いと見られています。
まとめ
- 小山直己さんは2023年6月、愛知県警中警察署により逮捕され、326日間も勾留された
- 担当した刑事の氏名や顔は非公開のままだが、今後の裁判次第で明らかになる可能性あり
- 名古屋地裁は2024年5月に無罪判決を言い渡し、小山さんの主張を全面的に認めた
- 今後、国や県に対する損害賠償請求が検討されており、注目が集まっている
冤罪による長期勾留が現実に起きた今回のケースは、日本の司法制度の在り方に大きな疑問を投げかけるものとなりました。今後の動向にも注視が必要です。